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  • 執筆者の写真Ken Sugizaki

サロンメンバー発【アーセナル -Arsenal-】分析 vol.1

不定期にお送りする、オンラインサロンメンバー発、海外チームの分析記事。今回はプレミアリーグでシーズンの折返しを首位で迎え、わずか1敗しかしなかったアーセナルを取り上げる。基本的な情報や、チームとしての振る舞い等は各メディアやブロガーたちで溢れると予想されるため、当記事では「サイドバック -SB-」に焦点を当てて攻守を分解してみた。



執筆は、当社が運営するオンラインサロン「CiP」のメンバーさんであり、1人ではなく複数人に協力いただいた。





まずは「自陣攻撃」と「敵陣攻撃」に分けた「攻撃」をお送りする。


「自陣攻撃」


アーセナルの自陣攻撃の中でも両SBに焦点を当てて述べる。左右共に選手が変わる事もしばしばあるが、大枠の戦術部分は誰が出ても役割はさほど変わらず、そこにプラス個人の判断で動きが加わる印象だ。


右サイドでは、逆サイドが高い位置を取っていれば、基本CBと同じラインで受ける。ベン・ホワイト、冨安は右利きであるが、どちらも右足でピタッとトラップをして次のプレーにすぐ繋げられる位置に置いている。ボールの置き所として、ベン・ホワイトの方が冨安よりもより多くの選択肢にすぐに出せる位置に置けている印象だ。そして右SBが受けたら、サカやウーデゴール、アンカーのトーマスらに預けて再度受けを作る。


左サイドでは、ジンチェンコ(or ティアニー)が相手の動き方次第で自由にポジションを取る。例えば、まずマークをしてくる相手WGの背後(トーマスと同じ高さ)に入る。もし、相手WGがそのまま味方CBに外側からプレスをかければ、ジンチェンコは中に絞りフリーに受ける。もし相手がマンマークのようについてくれば、あえて一緒に中に絞ることで外の左SBの位置でジャカやマルティネッリが下りてくる。もちろん外に張っておいて中のスペースを空けておく事もある。これらを瞬時に判断しながらプレーしており、特にジンチェンコは、時に中で受けて逆サイドまで運ぶ事もあり、非常にクレバーな選手である。


また、2023年1月23日アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッド戦での57分20秒のシーンを見て欲しい。ジャカが相手を連れて下りてきたスペースにトーマスが入り込み、ジンチェンコがスペースへパスを出す。この「誰もいないスペースへのパス」が、左右SBが絡みながら多く見られる。プレスに行かなければ足元へのパスを入れながら前進し、プレスに行けば、様々な種類のパスと選手の動きによって外されてしまう。自陣パス成功率は92.9%(Data by StatsPerform)で、残りの7.1%がどういう状況下で起こったかを探るのも面白いだろう。


「敵陣攻撃」


次に、敵陣での攻撃を偽SBとしてのジンチェンコにフォーカスしてお届けする。

アーセナルの攻撃に置いて、ジンチェンコのセンセーショナルなパフォーマンスに触れない訳にはいかない。文字数の関係で非常に簡潔にはなってしまうがお付き合い頂きたい。


まずはこちらの画像をご覧頂きたい。





普段、ゲームを事細かに観ていない方でもジンチェンコがライン際だけではなく頻繁にVOの位置に居るなというのをパッと想像出来る方も居ると思うが、その意図としては上記画像の様な例を取る事が出来る。


まずはジンチェンコがVOの位置に入る事でシンプルにそこは人員過多となるのでジャカは1つ前のポジションでプレーが出来る。この時点で相手のDFからするとマークする相手が1人増える事になる上、前線に掛けられる人数も増え、ライン間に入れば相手にしてみれば迷いが増える。


上記を例にすると、相手RSBはジャカとマルティネッリのどちらにチェックに行くかの決断を迫られ、仮に…


①マルティネッリへ行った場合

ライン際で1対1の対応となるが、ライン間のジャカは相手VO&RCBとの距離感からして一瞬フリーになり、ニアゾーンへのラインブレイクも可能であればマルティネッリと相手RSBで2対1になり局面の突破も容易。もし相手VO or RCBがジャカにチェックが間に合ったとしても中央のエリアを空ける事になり、そこへジンチェンコ自身がアンダーラップをする選択肢もあれば、相手のDF陣がスライドしてきたベクトルの逆を突いて展開すればアーセナルの強烈なRWGであるサカがクリーンな状態でアクションが出来る展開にも持って行ける。


②ジャカへ行った場合

上記画像のシーンで直接ジャカにパスが出る可能性は低いし実際にパスは出ないのだが、もしそうなり相手のRSBがジャカへチェックに行けばマルティネッリはフリーになる。そうなればマルティネッリはラインブレイクし放題且つクリーンな状態でボールを受ける事が出来て次のアクションも容易になる。


①にしろ②にしろ、ジンチェンコのポジショニング1つで相手にとって危険な展開を創っているのは事実だ。


上記で触れたジンチェンコの振る舞いは偽SBとしてのそれであり、所謂ポジショナルプレーや5レーン理論の教科書通りではあるが、ジンチェンコの加入がアーセナルのスタイルを大きく促進させたのは間違いが無いし、偽SBとして上質なプレーが可能なジンチェンコの加入が最後の1ピースだったと言っても過言では無いくらいのプレゼンスを披露している。


右サイドのホワイト、サカ、ウーデゴールの関係はそれはそれでまた違うのだが、それはまたの機会に。


是非、残りのシーズンはSBに着目して観戦してみてはいかがだろうか。


執筆:オンラインサロン「CiP」メンバー

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